関節リウマチへのデノスマブ指針公開

日本リウマチ学会2018年7月19日 (木)配信 リウマチ整形外科疾患投薬に関わる問題

 日本リウマチ学会はこのほど、「関節リウマチに対するデノスマブ使用ガイドライン」を公式サイトに掲載した。同ガイドライン(GL)は、関節リウマチ治療におけるデノスマブの位置付け、治療上の注意点を示し、各主治医が添付文書を遵守して適正に薬剤を使用することを目的に作成。対象患者、投与禁忌、要注意事項など5項目で構成されている。

 同GLによると、デノスマブはTNFリガンドファミリーに属する膜結合型サイトカイン(RANKL)を標的としたヒト型IgG2モノクローナル抗体で、RANKLを特異的に阻害し破骨細胞の形成、機能および生存を抑制することにより骨吸収を抑制する。日本では、2013年に「骨粗鬆症」の適応が承認され、2017年7月に「関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制」の効能・効果が追加された。一方、海外では、関節リウマチに係る適応は承認されていないとしている。

 対象患者は「抗リウマチ薬(メトトレキサート等)で治療を行っている患者で、画像検査にて進行性の骨びらんがある関節リウマチ患者」。投与禁忌として、同剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者、低カルシウム(Ca)血症の患者、妊婦または妊娠している可能性のある婦人が挙げられている。

 要注意事項については、(1)低Ca血症(2)顎骨壊死(3)治療中止時の対応--を提示。このうち(1)では、同剤投与により低Ca血症が現れる可能性があるため、同剤投与開始前に血清補正Ca値を確認すること、同剤使用時は血清補正Ca値が高値でない限り、毎日CaおよびビタミンDの補充をすることなどが重要であるとしている。