帯状疱疹の新薬開発

富山大とアステラス製薬(東京)の研究グループは、帯状疱疹(ほうしん)治療の新薬「アメナメビル」を開発したと、7日発表した。従来薬に比べ1日の服用回数が少なく、錠剤も小さいため、発症しやすい高齢者が飲みやすいのが特長。製薬会社マルホ(大阪市)が同日から販売を始めた。

 開発に携わった富山大医学部の白木公康(しらき・きみやす)教授(臨床ウイルス学)は「患者の服用の負担が減るのは画期的。帯状疱疹治療の標準薬になることが期待される」と話す。口唇ヘルペスなどの単純ヘルペス治療にも応用できる可能性があるという。

 従来の治療薬では1日3回服用する必要があった。新薬は、薬の血液中の濃度を維持することができ、ウイルスの増殖を長く抑えられるため1日1回で済む上、錠剤を小さくできたとしている。

 富山大によると、帯状疱疹は国内で年間約100万人が発症。子どものころに水ぼうそうになった際のウイルスが体内に潜伏し、免疫低下などがきっかけで成人になってから発症する例が多い。

 マルホは、アステラス製薬から、アメナメビルの臨床試験実施と販売権利を継承していた。