帯状疱疹、不快緩和の対処法を学会助言【米国皮膚科学会】

 米国皮膚科学会(AAD)は3月10日、帯状疱疹の痛みや不快感を緩和する対象法を助言とその徴候・特徴について紹介した。AADのウェブサイトとYouTubeチャンネルに同内容を収録したビデオ「Shingles:Pain Management」が掲載中。

 帯状疱疹は、水痘罹患歴や水痘予防接種歴のある人の体内に残ったウイルスが、再活性化することで発症するリスクがある。水痘よりも感染力や痒みは弱く、痛みが強い傾向があり、通常は数週間で発疹は消失するが、中には痛みや無感覚、そう痒、刺痛が数カ月あるいは数年続く人もいる。

 米国疾病対策センターによれば、米国の帯状疱疹罹患者は年間約100万人。特に高齢者に多いことから、50歳以上にワクチン接種を推奨している。また、AADは帯状疱疹の疑いがある場合は、妊婦や水痘未罹患者または水痘ワクチン未接種者との接触を避けて、すぐに皮膚科専門医を受診するよう助言している。

 AADによる、帯状疱疹の痛みや不快感を緩和する対象法を助言とその特徴の説明の詳細は下記の通り。

 【帯状疱疹の痛みや不快感を緩和する5つの方法】

  1.  発疹が現れて72時間以内の投薬で症状が軽く、短くなる可能性があるので、症状が現れたらすぐに皮膚科専門医を受診する
  2.  発疹は氷嚢などで冷やす
  3.  発疹と水疱にカーマインローションを塗布する。水疱内の液体は感染の可能性に加え皮膚治癒効果もあるので水疱を突いたり引っ掻いたりしない
  4.  非粘着性の清潔な包帯で発疹をゆるく覆う
  5.  疼痛部位周辺は、綿製のゆったりした衣服を着用する

 【帯状疱疹の一般的な兆候および症状】

  1.  身体片側の皮膚一部が敏感になる、もしくは灼熱感やそう痒、刺痛を感じ、その症状が1-3日継続する
  2.  赤色斑の発疹から透明で痛みのある水疱に変わる。かさぶたができて治りかけると黄色または赤くなる
  3.  発疹と共に発熱、頭痛といった流感のような症状がある
  4.  投薬を必要とする痛みが2-3週間続き、水疱が治ると和らぐ
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